追いかけて繋ぐ恋
ポツポツ…

いつ降り出してもおかしくない梅雨空だった。


私は買ったばかりの傘を広げて、半分吉永くんに向けた。


「サンキュ、貸して」

吉永くんが持ってくれた。


吉永くんのマンションまで10分くらい…ずっと無言。


たまに肩がぶつかり、緊張した。


吉永くんが家の鍵を開けると隣りの家のドアが開いた。


「ゆうくん!」

快くんが出てきた。


吉永くんは快くんを抱き上げた。

「あそぼうよ」

「ん~」

考える顔して、私を見た。


今日は吉永くんと話をしたかったけど、快くんと遊ぶ?




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