スウィートレッスン〜運命の相手は…幼なじみ!?〜
【12】 消えない証
[ ダイ:side ]
校長と約束を交わした後、俺は珍しく真っ直ぐ家に帰った。
部屋のドアを開けると、部屋にいたヒナの姿はなく…シーンと静まりかえっていた。
「今朝、このソファーに一緒に座ってたんだよな」
自分で別れを決断したのに、切なくて切なくてどうしようもなかった。
1人で部屋にいると、頭に浮かんでくるのは…アイツのことばかりで。
寂しさに耐えられなくなった俺は、それから1人でバーに行った。
なにも考えたくなくて、いつもよりもピッチを上げて、喉にアルコールを流していく。
でも、いくら飲んでも意識ははっきりしていた。
「くそっ!なんで酔えねぇんだよ」
酔っ払って意識を失ったら、アイツのことを考えなくて済むのに。
思い出そうとしなくても、自然と…ヒナのことばかり考えてしまう。
そんな…バカな自分がいた。