誠の桜に止まる蝶~沖田目線~
私たちはそのまま町へと向かう。

総「まさか子供と一緒に町へ来ることになるなんてねえ」

総司が少し楽しげにつぶやく。

蝶「なんだか不思議よね。」

両手を私と総司につながれて嬉しそうに朧は歩く。

すると一軒の店の前で立ち止まる。

総「ん?どうしたの?」

朧はじーっと風車を見つめている。

蝶「風車が欲しいの?」

こくんと頷く。

すると総司が苦笑いをこぼして店主に声をかける。

総「この、青の風車と赤い風車ください」

「へえ。まいどあり」

店主から風車を2本受け取りこちらへと歩いてくる。

総「はい。どうぞ」

朧「うわあ!!ありがとうお父様!!」

ぴょんぴょん飛び跳ねながら嬉しそうにはしゃぐ。

そんな姿を見ていると不思議と心が温かくなった。

総「はい、蝶」

そっと私に風車を差し出す。

蝶「え?」
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