誠の桜に止まる蝶~沖田目線~
総「蝶?」

部屋を覗くと隅で小さくなっている蝶がいた。

総「なーにしてるの?」

蝶「座ってるの」

まだ怖いのか少し声が震えている。

総「あはは。あの鈴はね平助だったよ」

蝶「へ?」

僕の言葉に目を大きく見張る蝶。

総「魔除けだってさ」

蝶「はあああ。よかったあ・・・」

安堵のため息をつく姿が何とも面白い。

僕はそっと近づき抱き寄せる。

総「そんなに怖かったの?」

蝶「べ、別にそういうわけじゃないもん・・・」

総「はいはい」

そっと抱きしめていると僕の体にもたれかかる。

総「ねえ蝶?」

蝶「ん、なに?」

総「今度の非番の日に僕と出かけない?」

蝶「ふふ、改まってどうしたの?」

総「僕の両親のお墓参りに行こうと思って」

蝶「えっ!?」

勢いよく蝶は起き上がる。

総「嫌かな?」

< 141 / 167 >

この作品をシェア

pagetop