誠の桜に止まる蝶~沖田目線~
「え?」

「蝶の涙は僕が拭ってあげる。だから、我慢せずに僕の前で泣いてくれないかな?」

「っ・・・・」

堰を切ったように次から次へと涙があふれてくる。

僕の胸にしがみつきながら蝶は涙を流した。

僕は蝶が気が済むまでずっと背中をさすっていた。

ひとしきり泣いた後そっと顔を上げる。

思いきり泣いたせいで目が赤く潤んでいる。

そんな顔も可愛くて僕はどきっとしてしまう。

「すいません沖田さん・・・お着物濡らしちゃいましたね・・・」

「別にかまわないよ?今日はちょうど暑いしね。」

「ふふっ。」

蝶は僕の腕の中で楽しそうに微笑む。

そして何か気づいたような顔になり頬を赤める。

「どうしたの?」

「あ、いや、私今沖田さんに抱きしめてもらってるんだなって思って恥ずかしくて。」

その言葉を聴いてつい微笑みが零れる。
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