誠の桜に止まる蝶~沖田目線~
「くすっ。なーに拗ねてるの?」

そう言って蝶の体を抱き上げる。

「きゃっ!!そ、総司!!おーろーしーてー!!!!」

じたばたと抵抗してみせる蝶。

だけどそんなかわいらしい抵抗は僕には何の意味もない。

ふと手を見ると何かを握っていた。

「蝶?それなに?」

「あ、これ?これね、土方さんがくれたんだ!鬼灯だよ♪」

「へえ、土方さんがねえ。」

ったく、またあの人に悪戯してあげないとなあ。

今度は足袋に洗濯のりでも仕込んでおいてあげようかな?

「総司?え、笑顔怖いよ?」

蝶が少し引きつった顔でこちらを見つめる。

「ああ、ちょっといいこと考えててね♪」

「・・・・絶対いいことじゃない気がする・・・・」

「え?なに?聞こえないなあ。」

僕はわざと蝶の顔を僕の顔に近づけさせる。

「そ、総司近いよお///」

手に持っている鬼灯に負けないほど顔を赤らめ、少し涙目になる蝶。

そんな蝶がかわいくてもっと意地悪したくなるけど泣かれるのは困るからそっと降ろしてあげる。

「そう言えば土方さんはなんで蝶に鬼灯なんてくれたの?」

「あ、なんかこの近くで鬼灯祭りってやってるみたいなの!会合の帰りにそこに少しよってきたんだって!!」

「へえ」

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