誠の桜に止まる蝶~沖田目線~
言葉にしなくても伝わるおもい。

そんな関係になれるのは君とだけだって

僕は知っているから

僕は腕の中で涙をこぼす蝶を抱き締める。

きっと、織姫と彦星も今頃こうして抱擁を交わしているのだろう。

1年に1度の聖なる日だからこそ

愛おしさも不安も増して止まらない涙や思いがあふれることがあるのだろう。

総「蝶?」

蝶「ん?」

総「なんだかまるで僕たちこうし星の中で抱き合っていると織姫と彦星みたいだよね?」

すると蝶は目を真ん丸にした後に微笑む。

蝶「ふふっ。総司って案外ロマンチストなんだね。」

総「ろまんちすと?」

蝶「うん。」

ろまんちすとの意味は分からないけれど

きっとほめ言葉なのだろうと解釈しておく。

総「でも忘れないで。僕は1年に1度じゃなくて1年に何回も何十回も何百回でも君に逢いに行くよ。」

蝶「うん。私も。」

2人でそっと縁側に座り、沙織の奏でる音楽に耳を傾けながら星を眺める。

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