遠距離片想い







 ついさっきまで暖かかった手が一気に冷えて








 あたしの手からフッと章汰の手の暖かさが消えた。










 電車に乗りこんだ章汰はあたしをギュッと抱きしめた。










 章汰の腕にスッポリ収まるあたしの体。








 視界が再びかすみ始めて…








 あたしも章汰を抱きしめ返した。







 『まもなくドアが閉まります―…』








 アナウンサーの声が駅に響いて、あたし達は静かに離れた。
















 
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