ペット化宣言


「あの、実は………」


そして、言い出そうとして、言葉がつっかえた。呪い、という言葉が頭を掠めてしまったから。
別に、あの青年が船長さんだと確実に言っているわけじゃない。ただ、状況が一緒で、何かしら関係があるのは確か。
でも、もし青年とは船長さんのことだったとしたら?

船長さんは小さい頃からずっと寂しいままなの?
そんなときに呪いなんてこと言われたらどう思うのかな。


いきなり黙り込んだ私に、早く言えと急かしてくる船長さん。



「実は、こういうドレス着るの、憧れてたんですよねー!」


誤魔化すことしか出来なかった。
言えなかったんだ。

せめて、船長さんが少女と出会うまでは……。






胸がちくりと痛んだ気がした。





「ウェディングドレスとか、人間になってから着ろ。」


ばっと投げつけられたのは私の服。
いったん進むのを止め、着替えてくるように言われた私はそそくさと茂みで着替えることにした。




でもそこで問題が発生する。
こ、このドレス、自分で脱げない!!



「せ、船長さん……!助けて!」

私の声が届いた船長さんの、草をかき分けてこちらに来る音が聞こえる。
そして、茂みの先から素早く現れた船長さんを見て、一瞬息をするのを忘れてしまった。











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