ペット化宣言



青年の魂を転生させる。
その魂の持ち主が船長さんってことだよね…。


ちらっと船長さんを見やると、眉間に皺を寄せている。
機嫌の悪そうな船長さんをお構いなしに魔女は話を続けた。



「始めにこの本を持たせてるのはただの遊びさ。本を頼りにわしの元へ来る青年と会うのが楽しみでねぇ。1つ前の青年とは会うことはなかったけれど、1番解明してたのはあの青年だったよ。なにしろ、わしがあらゆる所に置いておいた本に、これから先の新たな青年のためにヒントを書き残して行ったんだから。」




あの血で書かれた文字は、前の魂の持ち主が書いてくれた、船長さんに対するメッセージだったんだ。



「少女にはもう会えたようでよかったねぇ、青年?」



そう言った魔女の笑顔は狂喜に満ちていた。


「この町の魔女の話なら、昔聞いたことがある。それによると、おまえは人間に復讐するために生まれ変わっているようだが、何故人間の願いを叶えた。」




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