ペット化宣言


今まで黙っていた船長さんが口を開く。
確かに魔女は人間を相当恨んでいたはず。それなのに何故………?



「ひーっひっひ!今回の青年は賢いなぁ。……覚えておくと良い。人間とは愚かな生き物よ。すなわち、人間の願いとは常に愚かなもの。願いを叶えてやることによって、自分で自分を苦しめていることにも気付かない。」




嘲笑う魔女。その笑い声は不気味で恐ろしい。


「じゃあ、人間の願いは何でも叶えてくれるんだな?」


「もちろん。」




魔女に意味深な質問をした船長さんだったけど、魔女の言葉を聞いて店から出て行く。

それを追いかけるようにして出て行く団員さんたちに、私も着いていこうとする。
そしてふと後ろを振り返ると、さっきまでいた魔女の姿はどこにもなかった。





魔女に会ってからというもの、船長さんは毎日のように朝早くから一人でどこかに出かけていた。


どこに行っているのか聞いても誰も教えて貰えないし、正直船長さんが何を思っているのかわからない。



今私に出来ることは何だろう。

居場所を作ってくれた船長さんのためになること。



それを探すため、私はまた図書館に向かった。













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