ペット化宣言
帰還編
『私じゃ、ないと思います……………。』
ぱちり、と目を開く。
視界に広がるのは、真っ白な壁。
辺りを見回してみると、そこが病院だということがわかった。
「悠里っ!!」
目を覚ました私をギュッと抱きしめるお母さん。あ、私帰ってきたんだ。
ぽろぽろと涙が溢れる。
帰って来れて嬉しい。
その反面
もう船長さんとは会えないんだ。
ぽたり、と涙がおちる。
自分で望んでいたことなのに、今になって寂しさが襲ってくる。
同時に、胸にぽっかり穴があいたような空虚感。
手が自然に唇をなぞる。
最後のあれは、夢…………?
抑えようとしても、船長さんへの気持ちが一気に溢れかえってくる。
いきなり大泣きし始めた私を、お母さんは何も聞かずにずっと背中をさすっていてくれた。
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