ペット化宣言


「船長さんっ…!」


船長さんを追いかけて声をかける。
私の声に反応して、船長さんは立ち止まった。



「……なんだ?」

「あ、あの、迷惑かけてごめんなさい!」


怒られること覚悟で謝る。
船長さんには迷子になるなって言われたのに、迷子どころか誘拐までされて…。



じわじわと重くなる罪悪感に目を伏せていると、また船長さんは私の頭をがしがしとした。



「迷惑かけたと思うんなら、次から誘拐されないよう気をつけろ。」


ぼろくそ言われると思っていたから、その優しさがにじんでいる言葉に驚いて船長さんの顔を見上げる。


するとその顔は満面の笑みで覆われていた。



「これでようやくペットに首輪をつけられるな。」



そういえばそんな話をしていたような気がしなくもないですね!





道徳的には考えられないけど、船長さんなら絶対やりかねない!
むしろやらないわけがない!


慌てて首元をおさえた私は、ただただ意地悪く笑われたのだった。
















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