ペット化宣言
「ミナトさんっっっっ!」
私が目覚めるより早く私のテントに駆け込んできたアレンさん。
昨日の医者といい、みんな私のこと女だって思ってないよね。
……まぁ、ここでの私はペットなんだけど。
あまりのうるささにミナトくんも起きてしまったらしい。
眠い目をこすりながらおっとりしているその姿はさながら天使のようで。
可愛い可愛いとついつい抱きしめてしまう。
その光景を見たアレンさんは絶叫した。
「ちょ、何やってんすかユーリ!ミナトさんに殺されますよ!?」
慌てるアレンさんはどうやら記憶まで後退してしまったことを知らないよう。
事情を説明すると急に目を輝かせた。
「俺、弟とか欲しかったんっすよねー!これからよろしくっす、子ミナトさん!」
握手を求めようと手を伸ばしたアレンさんだけれど、その手はミナトくんによって弾き落とされる。
アレンさんの行き場をなくした手は少し宙をさまようと、そのままアレンさんの膝の上に戻っていった。
「気安く俺に触るなっ!」
明らかに私の時とは態度が違う。
あまりにショックだったのか、アレンさんはとぼとぼと帰って行った。
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