ペット化宣言
それから他の人たちが会いに来ても、一刀両断していくミナトくん。
お昼になる頃には私以外の人はほとんど全員落ち込んでいた。
「ミナトくん、どうしてそんなに嫌がるの?みんな優しいよ?」
手を繋いでお昼ご飯の調達をしながら尋ねてみる。
ミナトくんは少しためらったかと思うと、急に立ち止まった。
「大人なんて嫌いだ。みんな自分のことばっか。俺のことなんてみんな無視だ。」
ぎゅっと拳に力が入っているミナトくんはとても辛そうで、過去に何かあったことが目に見えてわかった。
見た目小学校1年生ぐらいの男の子が、大人不審になるほどの過去って……。
きっと、とても辛かったんだろうな。
それに、前、船長さんには小さい頃の記憶がないって言ってた。
記憶もないまま一人残されて、誰にも助けて貰えないなんて、そんなの酷すぎる……。
ぽろり、と不意にこぼれた涙。
それに気付いたミナトくんは心配そうに近づいてきた。
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