ペット化宣言
偽装編
「なんだ、ペットに戻りたくなったのか?」
山を下りたところに広がっていたのは大きな町。その奥には大きなお城がそびえ立っていた。
その佇まいはまるで物語のお城を見ているようで、感動で胸がきゅんとなる。
ようやく動けるようになってきた体を起こすと、ひょいっと荷物乗せ場から飛び降りた。
「なんだ、ペットに戻りたくなったのか?」
「……そんなとこです。」
荷物扱いされるのはさすがに嫌だ。
重いだのなんだのって、そんなこと私が1番知ってるわ。
また少し歩くと、今度は関所が置かれている。
その関所を見て、船長さんは少し苦い顔をした。
「道を変えるか。」
「え、なんで?関所通れば良いじゃないですか。」
その瞬間船長さんにチョップをくらった。
「いい加減盗賊団のペットだってこと自覚しろ。」
「……あ、なるほど。」
一応有名な盗賊団らしいから、顔バレしてるかもしれないもんね。
だからさっきっからみんな帽子を深く被ったり、顔に布巻いたりしてたのか!
悪名高いと大変なんだなーと素直に感心する。
そのとき、関所の方にいた兵士さんと思いっきり目があってしまった。
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