ペット化宣言
「帰ったら躾直しだな。」
馬車に連れて行かれたユーリを見て、ミナトはため息をついた。
「どうしてあいつはいつも攫われるんだ。」
「ま、まぁでも今回はユーリのおかげで堂々と関所から入ることが出来たんっすから!結果オーライっすよ!」
そういうアレンも、ユーリについては疑問だらけだった。
いきなり空から落ちてきたかと思えば記憶がないと言い出すし、何度攫われるんだと思えば、なんだかんだ運の良いことに未遂で終わっている。
そして、今回のこれだ。
考えるミナトだが、町が騒がしいせいで気が散ってしまう。
なんでこんなに五月蠅いのかとあたりを見渡すと、どこの店もある弾幕がかけられていた。
「もしかして、ユーリってお姫様だったりとか……?」
同じく周りを見渡していたアレンが言う。
あんな弾幕を見てしまったら、誰だってそう思うのは自然の摂理だろう。
その弾幕には、ユーリの顔写真とともに、ご婚約おめでとう!の言葉我添えて書いてあったのだから。
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