ペット化宣言


「ってー!」

急な衝撃に耐えきれなかったアレンの体は前に倒れ込む。
その上からは、衝撃を与えたであろう少女が重なって倒れてきた。



「ちょっと、前にいないでくれる?邪魔よ!」



ぱたぱたと汚れたであろうスカートの端をはたく少女。
その顔を見た瞬間、ミナトはにやりと笑った。
 


「おい、あいつを捕まえろ。」






「離してってば、馬鹿!」

ばたばたと暴れる少女に団員たちは茫然とする。
なぜなら、その少女はさっきまで盗もうと話していたユーリなのだ。


「おい、ユーリ。ペットの分際でいつから一国の姫になったんだ?」



「は?」



明らかにいつもと態度が違うユーリにはらはらする団員たち。
いつもだったらここで怯えるはずのユーリが、ミナトに対して強気なために様子を見ることしかできない。



「……それが素か。」


そう一言漏らしたミナトは、団員たちに告げた。






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