逢いたくて

不安

いったいどれだけのスピードを出したのか…

渉は驚くような速さで帰宅した

玄関をあけると

「咲っ!」いうやいなや抱き着かれた

大きな胸に抱かれて私もほっと息をつく

「ありがとう!咲!」

「ふふっ」

無邪気に喜ぶこの人はいったいどんな父親になるんだろう

その姿が早くみたい

「はっ!」

渉が突然私からはなれた

「気持ち悪いとかお腹痛いとかないか?!大丈夫か?!」

焦っている渉

「お医者さんなのに慌てすぎ。眠いだけであとは自覚症状ないの」

「医者だけど産婦人科は研修でしか経験ないし。ましてや自分の子供なんだ!冷静じゃあいられないな。眠いなら寝た方がいい!」

いきなり抱き上げられてベットに運ばれた

眠くはなかったけれど渉の言う通りにした

渉もするりと布団の中に入り後ろから私を抱きしめる

そ~っと私のお腹に触れながら

「感動する…。大事にしような」

「うん」

気づいたらそのまま眠ってしまった私

起きたら渉がご飯を用意してくれた

こんなに大切にされて

赤ちゃん…

幸せだね

よかったねとそっと心でつぶやいた
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