逢いたくて

目覚めと別れ

次の日いつものように病室に向かうとたくさんの医者と看護士が渉のお父さんを囲んでいた

ただならぬ雰囲気に息がつまる

病室の入口に私はただただたちつくしたまま…

一歩を踏み出す勇気がない

どんどんと早まる鼓動

呼吸がうまくできない




「咲」

渉の声に現実に戻った

「こっちに……」

渉の声が暗い

それに少し震えている…?

一歩一歩が重いけど行かなきゃ…

ベッドに近づこうとするとすーっとまわりの人達が道を開けた

その先に渉がうつむいてる

「渉?」

「……今…亡くなった……」

「……へ?…」

「突然目を開けて話し出したと思ったら…眠るように…」

足ががくがくと震えた

歯ががちがちとなる




渉が…泣いてる…
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