逢いたくて
点滴を引き抜いて布団から出る

でもそうしてからまた点滴を抜いたことで迷惑がかかるし…

また怒られる

そう思ったら寝室から出られなくなった

時計を見るととっくに日付は変わってる

ドレスはちゃんとかけられていて私はパジャマを着てる

裸足になったのに足は綺麗にされてる

怒りながらこうしてくれた渉の想いに鼻の奥がつんとなった

自然に涙が溢れる

ポタポタと点滴を抜いたところから血がでる

私は慌てて手でおさえた

ただでさえ貧血がひどい私

これ以上血を流したら赤ちゃんが…

立ち上がりタオルでおさえた

くらくらする

どうしよう…

そう考えるあいだにも血は流れてタオルが真っ赤になった

意識がとおのく…

『ガチャ』

静かに戸が開いた

「咲!!」

うずくまり血だらけのタオルをもった私に渉は驚いていた

「なにしたっ?」

「ごめんなさいっ!!ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!」

「…咲?」

「ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!」

息するのも忘れて謝りつづける
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