逢いたくて
次に目が覚めると同じ寝室にいた

手に温もりを感じて目をうつす

「ゆず…る…?」

「目が覚めた?」

その声は譲の声ではなかった

「水飲めるか?」

見たことのない人

すらっとした長身に細身の体

目はパッチリしていて同い年くらいにみえる

「苦しくない?」

そういって微笑むその人は悪い人には見えない

「体起こすよ?」

私の背中に手を差し入れ上半身を起こしすっと体を後ろに入れて支えてくれている

口元にストローで水を飲ませようとしてくれているけど飲む気になれなかった

「脱水になったら点滴するよ?嫌でも入院させる」

「?」なに言ってんだこの人

「俺、医者」

「……」

「入院するか?」

私は黙って水を飲んだ

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