逢いたくて

幸せな結末

「そろそろね」

助産士さんの声が神様の声に聞こえた

全身にじっとりと汗をかいて痛みはもう1分間隔

「子宮口があまり開いていないからちょっと処置してから分娩ね」

渉と助産士さんに両脇を抱えられるようにして歩いて分娩室へ向かう

その途中にも陣痛におそわれてその度に渉と助産士さんを鷲掴みにしてひたすら痛みを逃した

「痛い~」

「もうすぐだから頑張れ」

「無理!」

「母親になるんだから泣き言なんていってらんないよ~」

優しい渉と時々悪魔に見える助産士さん

助産士さんを無意識に睨む私をみて渉は爆笑していた

分娩台になんとかのぼると渉はすぐに処置できるよう術衣に着替えた

「咲、あとは陣痛が来たら力むだけだ。なにかあったらすぐ俺がオペするから」

「うん」

「心配せず力め!」

「おう!」

もう見てくれなんて関係ない

とにかく早く産みたい!

その時

ぶちんっとものすごい音とものすごい違和感を感じた

「咲っ!!」

意識がどんどんと薄れていく…

なに?

私どうしちゃったの?

赤ちゃんは?
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