逢いたくて

渉はそのあとご飯を用意してくれた

熱のあった私にはおかゆを

｢レトルトでごめんね～｣

せっかく用意してくれたのにひとくち食べて吐きそうになってしまった

それでも食べなきゃとしたとき

｢無理しない｣

震えていた私の手を渉が止めた

｢スポーツドリンクならのめる？飲めそ？｣

すぐスポーツドリンクをだしてくれ私は飲むことができた

食事が終わり片付けをしようと渉が立ち上がり私もと立ち上がろうとしたとき

『ガンッ』

机に足をひっかけて派手に転んだ

｢え～。急すぎてフォローのしようがないって｣

｢いたい…｣

｢だろうな。たてる？｣

渉はすぐ目の前に来て私を助け起こそうとしてくれている

遠慮なく手を借りて立とうとして

｢いたっ｣

途中で見事に右足に激痛を感じて渉に寄り掛かった

｢おっと｣

背の高い渉が腰を曲げて私を支えてくれなければまたひっくり返るとこだった

左足だけついてバランスをとり渉から体を離した

｢どれ｣

ひょいっと持ち上げソファに私を座らせ渉は足を調べていく

｢いっ！｣

｢完全なる捻挫だね｣

シップと包帯を手早くあてて渉は手当していく

｢咲って結構…ドジだね｣