逢いたくて

さよなら

「俺はここにいるから」

渉はそういって会社のすぐ裏に車をとめた

「あと新しい携帯」

「ありがとう」

「ここに帰っといで。待ってる。なにかあったら電話して?番号入ってる」

「うん」

渉に優しく抱きしめられて私は少し落ち着けた

「あとこれ。過呼吸になったら使って。使い方わかるよね」

「うん」

「大丈夫?」

「お願い…もう一度ぎゅってして?ぎゅって力いっぱい…」

「おっけ~ぎゅ~~」

「うっ」

渉はげらげら笑って私の願いを叶えてくれた

「いってきます」

「いってらっしゃい」
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