逢いたくて
「ゴホッ…」

咳するたびに渉の視線が痛い

「ゴホッ…コホッ」

「咲。だから仕事休めって。絶対悪化するよ。」

夕べから咳がではじめた私に夕べから仕事を休めと言っている渉

朝になり37度をこえていたら休むと約束したものの今の私は36.9度のギリギリセーフ

今日は無理言って予定を変更してもらった会議がありはずせない

渉の言葉を聞こえないふりして支度する私をふいに渉が座らせた

「じゃあ喉見せて」

私は困った顔の渉に負けて口を開けた

「まっかだよ。扁桃腺も腫れてるし、確実に熱上がるよ?ご飯も夕べから食べてないし」

「今日は休めないの…」

「会議はかわりに誰かが出ればいいよ」

「だめなの!」

こんな会話の繰り返しで私の心も痛んできた

渉を心配させてる…困らせてる…

「泣くなよ~。そこまで根詰めて仕事しても意味ないだろ?会議に出ても今の状態なら話しすら聞けない。頭も痛いんだろ?」

ずばり…今朝から頭痛がしてる

「それでも行きます」

ほとんど支度も終わっていたから立ち上がり私は玄関に向かった
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