逢いたくて
渉はすぐ私に追いつきいつものように手を繋いだ

「無理しないこと。いったらすぐ俺が診察すること。ふたつ守ってくれるなら薬だすから。」

「うん…」

「しんどくなったら言えよ?」

「うん…ゴホッ」

咳する私をまたちらりと見てため息する渉

「ごめん…」

「咳、我慢するなよ。」

「うん…ケホッケホ…」

いつもよりも歩くペースのあがらない私にあわせる渉も元気がなかった

駅までの道がいつもより長く感じる

それに頭痛がどんどんと悪化していて目をあけているのが億劫になるほどだった

咳していることもあってか息もしにくい

なにより歯ががちがちなりそうなほど寒い
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