逢いたくて
「えっ…」

「今治療をはじめたところでこの先どうなるやら…」

衝撃をうけすぎてなんて言えばいいか分からない…

「でも…病気はやっかいだけどなんにも縛られない生活を満喫してるんだ」

「……」

「咲は…どうしてた?突然会社から追い出すようなことをしてしまってずっと気になっていたんだ。家にもいないし…」

「……」

なんて言えばいいか分からなくて言葉につまる

「俺、仕事を忘れて」「いて」

渉は私に気を使って部屋を出ようとした

「ここにいて…渉」

「分かった」

「今この人と付き合っています。一緒に暮らしていて…生きてきたなかで一番幸せです。」

「……そっか」

そう言って譲は顔をしわくちゃにして笑った

「譲さんのこと私も大好きでした。あなたにいろんなことを教えてもらったし…あなたとの時間は心が満たされました…。感謝してます…」

「俺も咲との時間は…俺らしくいられて…心が満たされたよ…ありがとう」

「……」

「咲…幸せになれ…」

「ヒック…フッ…」

涙を堪えきれず泣き出した私の肩に渉が手を置く

「譲…さんも…幸せに……」

「ありがとう。俺も幸せにならないとな。今以上に」

「……死な…な…いで…」

「約束する。俺は死なないよ。」

そう言った譲は社長として自信に満ちていた時の表情だった
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