付き合ってるのよ?
先輩たちは直ぐに逃げていった。


俺はそーっと惚れた女の子のいる場所をのぞいた。


女の子はあくびをしながら、そばにあったベンチに腰かけて、1人呟いた。


「まったく。くだらない。…思いっきり叩きやがったなぁ」


そういいながら、冷却シートを半分に切って頬にはって不満そうに言った。


って、おい。

冷却シートとハサミ常備かよ。


「ったく……。この顔じゃあ教室に戻れないじゃん。本当に、殴るならもっと考えて殴りなさいよね。これじゃあすぐにばれるじゃない」


顔も美人だった。


ブスって言った先輩に怒りたくなるくらい、美人だった。


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