付き合ってるのよ?
………。
ちょっと待ちなさいよ!
何で今、目をそらしたわけ!?
彼女と目が合って、目がそらすような、彼氏がどこにいるのよ!
私は頬を、プクーっとふくれさせて、不満気に裕人くんの顔を、見つめた。
「裕人!お待たせ」
そんな微妙な、空気お構い無しで、キーンと耳が痛むくらいの、大声で裕人くんの鞄をポンッと叩いた。
「友香!」
あっ、勘違いしないで。
満面の笑みで、明るく『友香!』と言ったのは、私じゃない。
裕人くんだから。