付き合ってるのよ?
数分前に戻ろう。


俺達は、友香の家の前で、止まった。


友香は、ニコッと微笑むと、手をヒラヒラしながら言った。


「送ってくれて、ありがとう。バイバ~イ♪」


俺も、友香に手をふった。
でも、そこで、ふと思い出した。
「あ、待て。友香」


「どしたの?」


俺は制服のポケットに、手を突っ込んで、言った。


「お前さぁ。本当に悠也でいいの?」

友香の動きが止まった。

「…どーいうこと?」


友香は、相変わらずの笑顔で、言う。


俺は、ここで少し、『あれ?様子が変?』っと思った。

でも気に止めず、思ったことを、そのまま口に出した。




そもそもの、間違いは、ここからだ。


このとき、俺が黙っていればよかったんだ。
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