付き合ってるのよ?
は?


今、何か言った。


最初の方が、聞き取れなかったんだけど。





「姉さん。何やってんの?」





奥から、顔を出したのは裕人くん。



良かったぁ~~!
裕人くん気付いてくれた!



茜先輩は、顔色を変えて笑った。


「何でもないよ、裕人!」


どこが、何でもないだ!
人のこと散々、睨み付けといて!


よくそんなことを、平然と言えたもんだ。


「綾乃?」

「……へっ?」

いきなり呼ばれた名前に、顔を上げた。


「どうかした?」



あれ……?
ちょっと機嫌悪い?


少し眉間にシワがよってる。



「あ……ううん。何でもないの!!」

私は無理矢理、笑顔を作った。


< 46 / 120 >

この作品をシェア

pagetop