い ち ご
種まき
「美沙〜、いい加減なにかに所属しようよ!!!」
「え〜?まぁ、いつかね。」
「もぉ!!」
高校に入学したての私、宮川美沙。横でうるさく言っているのは中学からの親友、浅井佐奈。
「ねぇ、美沙ぁ。ここの高校は皆部活入らなきゃなんだよ?」
「佐奈は何に入るの?」「えっ……美沙と同じやつ!!!」
「決まってないだけじゃん。」
そう言うと佐奈は口をとがらせた。
「あはは!2人共面白いなぁ。」
「あ!七海。おはよ」
「おはよ、美沙。」
「私もいるよ♪3人共おはよ」
「「「美希おはよ♪」」」
七海と美希は高校に上がってから友達になった子たち。続木七海は元気っ子でポニーテールが特徴的。中山美希はどちらかというとおとなしめで女の子らしくてかわいい。いつもこの5人で一緒にいる。
「美沙ちゃんまだ何に入るか決めてないの?」
「うん、美希と七海は決めたの?」
「私はやっぱバレーがいいかなぁ♪」
「私は吹奏楽部にしようかな?って思ってるの。」
「2人共もう決まってるんだ。うちらどうする?美沙。」
「う〜ん……」
キーンコーンカーンコーン………
「やばっ!!!予鈴鳴ったよ!教室移動しなきゃ。」
「急げー!!!」
そう言って廊下を走っていると自分の目の前に突然人が現れた。
「きゃー!!!」
ドン!!!!!
皆気づかないで先行っちゃった…
ってぶつかった人大丈夫かな?!
「ごめんなさい!大丈夫ですか?怪我とかは…」
「…ってぇ、そっちこそ大丈夫かよ?」
「……っ!!!だっ大丈夫です。本当にごめんなさい!さよなら」
と言って走って逃げた。教室に着くと先生はまだ来ていなくて自分でも幸運だと思った。
「先行っちゃうなんていどい〜!」
私は前にいる七海に言った。
「ごめんごめん。それより美沙、すっごく顔赤いよ?」
「えっ嘘ぉ!!!」