もう一度君に恋したい


ったく、美希ったら
可愛い子見つけるとすぐこれなんだから




「おねぇーちゃぁーーん!
男の子の友達さんから電話だよぉー」




妹の秋菜(あきな)が
私の部屋に電話を持ってきた。




秋菜はまだ7歳だけど私に似て
しっかりしていると思う。




「ありがとう、秋菜」




私がそう言うと秋菜はニコッと笑い
私の部屋から静かに出て行った。




「もしもし、どなたですか?」



『俺だよ、俺』





ここの一部分だけだと、オレオレ詐欺に聞こえてくるのが不思議だわ




「なぁに?祥太」





『今日マジでお前来れないのかよ』




「行けるけど?」




『じゃあ一緒に行こうぜ!また3人で』





「嫌よー!それじゃ私が何のために美希に嘘ついたのかわからないじゃない」




電話越しに祥太は黙ってしまった。







「そろそろ答えてあげなさいよ」






『……………』






「答えはもう出てるんでしょう?」






「意気地なし」





『うっせぇ』





「頑張れ」






『おう………』





「頑張れ」





『わかってるよ』






「…頑張れ」






『お前もな』





…………なにを?





そう考えてるうちに電話は切れた。





私はなにを頑張れっていうの……?






もう、何もないのに。

















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