愛さない。愛せない。
話しかけないで欲しいと心底思う。男は嫌いだ。
だからと言って皆が皆って訳ではない。お兄ちゃんは大丈夫だった。
あ、実は私にはお兄ちゃんが居た。たった一人の家族。
安心しきっている男というか、安心しきっている人間は大丈夫だ。
男は年がら年中発情しているし、女は年がら年中男に媚びている。
そんな、馬鹿馬鹿しい人間が大嫌い。勿論、そんな人ばかりじゃないと思うし、良い人も居るだろう
しかし、私はお兄ちゃん以外で会ったことがない。
コンクリートに引いてある白線を見て、呟く。
「会いたいよ…お兄ちゃん」
唯一の家族。
唯一の理解者。
唯一の味方。
だったお兄ちゃんは今、
空の上に居る。
1年前、亡くなったのだ。