恋愛カウンセラー
いつの間にか話は展開していき、瑠夏は実感がないまま
「先生」と呼ばれるようになった。
そうまでしても瑠夏にはあまり実感がなく、
ふと立ち寄った小さな本屋で見慣れたタイトルを見つけ、
出版社から自分の書いた物が出版されたと担当者が持ってきてくれた本と全く同じものが並んでいた事でようやく悟ったのだ。


私は本当に物書きの仕事をしているのだと。


恋愛小説も時々書く、その為なのか余計に恋愛相談も増えた。
元々、相談は多かったのにそれがより増えた。

瑠夏は恋愛小説を描く人間はすべてが恋愛上手でも、
人より多く、さらには全てを経験した訳ではないと言っているにも関わらず、
相談者は増えていく。


自分が考えもしない方向に転がっていくのも、自分が小説家になった一つだと思うと瑠夏は人生とは不思議なものだと、つくづく感じていた。


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