カサブランカにはなれない
だかとてもすがすがしかった。
ベッドに寝転がりながら、携帯電話の画面をぼんやり眺めた。
私は佐田のアドレス帳も削除した。
詩織の電話番号を表示した。
私は詩織に電話をした。
詩織に電話するのはとても久しぶりだ。
メールでさえ二ヶ月に一回ほどしかしなかった。
呼び出し音が耳の奥で鳴り響く。ずいぶん経ってから詩織が出た。
「・・・もしもし??」
詩織は、何かあったのかと言ったような口調で言った。
「あっもしもし。きいだけど。今大丈夫?」
「うん、今帰ってきたところ!!どうしたの?珍しいね!
どう?最近。」
私は夢の中の詩織を思い出していた。
「うん・・・ちょっと話があって。」
私は寝返りを打った。
「・・・・なによ、突然。こわいなぁ。」
詩織は笑った。
「佐田のことなんだけど。詩織・・・・佐田のこと好きでしょ?」
私はどきどきした。こんなことを言ったら怒るだろうかと心配になった。
「・・・ははは。知っていたの?」
詩織は軽く笑って聞いた。
「・・・うん。そうじゃないかと思ったのは結構前なんだけど。
私、そのことで言いたいことがあって。」
「・・・なによ、もうじれったいなぁ」
「・・・本当は私、佐田と付き合う前から詩織が佐田のこと気にしているの
知っていたんだ。」
私は、当時のことを思い出していた。
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