カサブランカにはなれない
私は、びっくりした。
「・・・・え??なに??」
「佐田がきいに告白したのは、罰ゲームだったって、私言ったよね。」
「うん・・・」
「それ、ちょっと間違っててさ。」
「・・・。」
私はそれを聞いてから佐田を見る目が変わったのだった。
「佐田くんからそう聞いていたんだけど。本当は照れ隠しで、冗談で私にそう言っただけだったんだって。あとで佐田くんから冗談だったって聞いたのだけど
私、きいに言いそびれていた。もう過ぎたことだからいいかって思って。
・・・黙っていてごめんね。」
「・・・いいよ、もうずいぶん前のことだから。」
私は、詩織が本当のことを言ってくれたということが嬉しかった。
「・・・うん。」
「佐田に告白した方がいいんじゃないの?」
私は心からそう思った。
「え〜・・・自信ないよ。」
「でも、詩織ならうまくいきそうな気がするけどな。
佐田もずいぶん詩織に頼っているみたいだし。」
「・・・そうかな?」
「嘘じゃないよ私、本気で応援するよ。昔のことなんて気にしないでよね。」
私と佐田の昔のことを詩織がかなり気にしているような気がした。
「・・・うん。わかった。」
「・・・こんな事言うのなんだけど、佐田は女にだらしないイメージがあるんだけど
どこがいいの?」
私は言った。
「・・・え?そうだなぁ。どこだろう。大げさに自分は遊び人だみたいな事言っているけど本当はそうでもないよ、きっと。」
詩織は言った。私は佐田と短期間ではあったが付き合ったことがあるというのに
そんな風に佐田を見たことがなかった。
「そっか。頑張ってね。」
「うん。ありがとう。」
私は電話を切った。
< 184 / 201 >

この作品をシェア

pagetop