さよならまた逢う日まで
教室に戻ると半分以上の生徒が部活や帰宅でいなくなっていた。
残っている生徒達はそれぞれ席を並べ他愛もない話にオーバーなリアクションで笑い転げていた。
「おっ草野、お前らどこいってたの?神田も一緒だったの?さすがアメリカ帰りは違うねぇ~。
無駄な授業には出ないってか?草野に悪い事教わるんじゃないよ~」
帰宅部でだいたい放課後はカラオケだのボーリングだの、遊んで過ごしている工藤らの塊が、ニヤニヤと話しかけてきた。
何から何まで行動を共にする、女みたいなところがどうも好きになれない類の塊だ。
「弁当のおかずこいつらに分けてやったら、腐ってたみたいで、つるんでトイレ篭ってたのよ。
いや~悲惨だったわ。中央階段とこのトイレは当分入らないほうがいいから」
無視を決め込むとそれもまた冷やかしのネタにする、どちらも面倒くさいが適当な事を言って交わした。
「勘弁してくれよ啓太。マジ救急車よんでもらおうかと思ったよ」
俺の適当なごまかしに桜井が乗ってきた。
・・・こっから話膨らますな・・・・
「タコさんウィンナーが腐るって、何日前の弁当食わせたんだよ。」
ガブリエルまで乗っかってきた。
・・・その後の話の展開は考えてないからな・・・・
内心焦る俺の気持ちに反して、自分たちの冷やかしなど全く気にも留めない俺達に、シラケた工藤達は「行くぜ」と目配せしあいながら教室を出て行った。
「自分の事しか考えていないくせに、人のやる事成す事が気になってしょうがないんだな・・・この世の人間は」
調子を合わせてニヤニヤ話に割り込んできていたガブリエルが、さっと笑顔を拭い捨て自分の席にドカッと座りながら呟いた。
「この世の??」
普段大事な事は聞いていないくせに、聞き逃してほしい事は地獄耳を発揮する桜井が突っ込んできた。
「これからどうするのお前ら?」
桜井の突っ込みを完全無視してガブリエルが聞いてきた。
「俺さっき谷口に捕まってっから、部活出るわ。啓太も出るだろ?」
無視されたことを全く気にしていない、こういう細かい所まで神経が通っていない所が付き合いやすい所でもある。
「いや・・・俺ちょっと今日は帰るわ。」机を覗き込み、鞄に教科書を詰め込んだ。
とり合えず所属しているサッカー部。行ったり行かなかったり、それでも在籍できている。
その程度のレベルの部活で、やっぱり俺は適当に今まで来てしまっていた。
これからやる気を持ってやったところで、秋の大会の前には俺はもうこの世にいない。
時間がないのにどうやって過ごせばいいのか分らず、何もやる気になれない。
・・・まずい・・・。
「えっ?帰るの・・・・明日は出ろよな。」
「おう・・・」上の空で返事をして荷物をまとめ教室を出た。
隣の教室を通り過ぎようとして、数時間前と同じように、またあいつが転がり出てきた。
残っている生徒達はそれぞれ席を並べ他愛もない話にオーバーなリアクションで笑い転げていた。
「おっ草野、お前らどこいってたの?神田も一緒だったの?さすがアメリカ帰りは違うねぇ~。
無駄な授業には出ないってか?草野に悪い事教わるんじゃないよ~」
帰宅部でだいたい放課後はカラオケだのボーリングだの、遊んで過ごしている工藤らの塊が、ニヤニヤと話しかけてきた。
何から何まで行動を共にする、女みたいなところがどうも好きになれない類の塊だ。
「弁当のおかずこいつらに分けてやったら、腐ってたみたいで、つるんでトイレ篭ってたのよ。
いや~悲惨だったわ。中央階段とこのトイレは当分入らないほうがいいから」
無視を決め込むとそれもまた冷やかしのネタにする、どちらも面倒くさいが適当な事を言って交わした。
「勘弁してくれよ啓太。マジ救急車よんでもらおうかと思ったよ」
俺の適当なごまかしに桜井が乗ってきた。
・・・こっから話膨らますな・・・・
「タコさんウィンナーが腐るって、何日前の弁当食わせたんだよ。」
ガブリエルまで乗っかってきた。
・・・その後の話の展開は考えてないからな・・・・
内心焦る俺の気持ちに反して、自分たちの冷やかしなど全く気にも留めない俺達に、シラケた工藤達は「行くぜ」と目配せしあいながら教室を出て行った。
「自分の事しか考えていないくせに、人のやる事成す事が気になってしょうがないんだな・・・この世の人間は」
調子を合わせてニヤニヤ話に割り込んできていたガブリエルが、さっと笑顔を拭い捨て自分の席にドカッと座りながら呟いた。
「この世の??」
普段大事な事は聞いていないくせに、聞き逃してほしい事は地獄耳を発揮する桜井が突っ込んできた。
「これからどうするのお前ら?」
桜井の突っ込みを完全無視してガブリエルが聞いてきた。
「俺さっき谷口に捕まってっから、部活出るわ。啓太も出るだろ?」
無視されたことを全く気にしていない、こういう細かい所まで神経が通っていない所が付き合いやすい所でもある。
「いや・・・俺ちょっと今日は帰るわ。」机を覗き込み、鞄に教科書を詰め込んだ。
とり合えず所属しているサッカー部。行ったり行かなかったり、それでも在籍できている。
その程度のレベルの部活で、やっぱり俺は適当に今まで来てしまっていた。
これからやる気を持ってやったところで、秋の大会の前には俺はもうこの世にいない。
時間がないのにどうやって過ごせばいいのか分らず、何もやる気になれない。
・・・まずい・・・。
「えっ?帰るの・・・・明日は出ろよな。」
「おう・・・」上の空で返事をして荷物をまとめ教室を出た。
隣の教室を通り過ぎようとして、数時間前と同じように、またあいつが転がり出てきた。