さよならまた逢う日まで
一度死んで毎日の当たり前がそうじゃないんだって気づいて、周りの奴らが俺の毎日に確実に存在していて、小さいながら影響を与えて、同じようで毎日違っていて。



でも、そんなこと考えもせずただ息してただ見たものをその度消去してめちゃくちゃ無駄遣いしてたなって。



生きてるんじゃなくて生かされてたんだなって。



気付くのが遅すぎたよな…馬鹿だよな俺。




死んで気が付くなんてな。



救いようないよな。」


ガブリエルと俺の間を一瞬強い風が吹き抜けた。



「お前だけじゃないよ。」


伸びをしながら間抜けな声でガブリエルが言った。



「とばっちりでこの世におん出されて正直面倒くさくてしょうがなかったよ。



お前らのやることなすこと面倒くせえし。



いろんな奴に振り回されたり振り回したり。



さっさとやることやって戻ってやる、そればっかり考えていたよ。





でも





短くても長くても、なんとなくなんて人生はないんだろうな。



それぞれが何かのため生まれて、小さかろうが大きかろうが誰かに影響を与え確かに存在してて。



そしてあの場所に来てるんだろうなって。




俺も勉強になったわ。」



そう言ってまた伸びをしてたい上がった。




「サヨナラでおしまいじゃないよな。」



俺はガブリエルの隣に並んで立った。



「悪りぃんだけど最後まで付き合ってもらえない?」



ガブリエルは前を向いたまま何も言わなかった。






残された時間はあと2週間となっていた。







< 52 / 73 >

この作品をシェア

pagetop