さよならまた逢う日まで
止まったトラック。


人込みのなか動いているのは俺だけ。


このトラックにぶつかって終わったのか。



「ゲームオーバー」



振り向いた先には不敵な笑みを浮かべたガブリエルが立っていた。



「えっ?終わり?マジで!堺に会わないまま終了?あんた鬼か?!」


「鬼じゃねーし。神だし。」


見下すようなその顔を最後にぶん殴ってやりたい衝動にかられた。




「嘘だよ。まだ終わってねぇよ、神の力で一時停止したの。一言言っておこうと思って。」


気持ちよさそうに伸びをしながらその先を続けた。



「最後まで見届けたから、とりあえず先に行くわ。



人の人生審査するってのも簡単なもんじゃねぇんだな。


今度はハンコ押すときもうちょっと悩むわ。」



そう言ってまた悪そうな笑みを浮かべた。



「あの世で待ってるわ…ってのも変か。」


手を振り歩き出すカブリエル。


「ゲームオーバーはお前が決めていいよ。」


振り向きもせずそう言って奴は動かない人ごみの中に消えていった。








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