奏
プロローグ
屋上
キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン——…
授業が終わると、隣の席の美緒がいつものように聞いてくる
「奏ちゃん…今日も翔太くん…?」
「そうだよ。お昼は基本翔太と一緒だから」
「相変わらずラブラブだね…奏ちゃんと翔太くん…」
美緒の態度で翔太のことが好きなのが分かる。
「奏!昼飯食うぞ!」
教室のドアの前で、翔太があたしを呼ぶ
「奏ちゃん…翔太く…」
「翔太…行こっか」
あたしは美緒の言葉を遮るように翔太に話しかける
「友達いいのか?」
「別に友達じゃないから…話しかけられただけ…」