奏
「そっか…てか、あいつって宮田美緒…?」
「うん…そうだけど…翔太知ってるんだ…」
「知ってるっつーか、最近の話題っつーか…」
「なにそれ、そんなに有名なの?」
「まあ噂聞く程度だけど」
翔太…美緒のこと知ってるんだ…
一気に不安が襲ってくる
「ふーん、結構かわいいよね?美緒」
美緒は誰が見てもかわいい女の子だと思う
黒髪ロングのストレートで触りたくなるくらいサラサラしてて、身長が高くて、スタイルもいいし、妬いちゃうくらい完璧
「そうか?奏ほどの女はいねえよ。いい意味で」
「本気で言ってんの?」
「俺が嘘で言うかよ」
「翔太…バカだね…うふっ…」
「奏は抱き締めたくなるくらいバカだよ」
そう言って、翔太は抱き締めてくれた
抱き締められるだけで安心しちゃうんだもん、あたしって単純な女だね
「今日も翔太のために愛情たっぷり込めてお弁当作ってきた」
「毎日うまい弁当ありがとな」
翔太が抱き締めながらあたしの頭を撫でる
「翔太と付き合って…明日で2年になるね…」
「そうだな…急にどうした?」
「なんとなく…早いなって思って…」
「確かに早いな…ってことは、屋上で弁当食うようになってからも2年ってことか…」
「あたし…2年も翔太にお弁当作り続けてるんだ…うふっ」
「奏にはほんと感謝してる…」
「あたしも翔太に感謝してるよ?毎日おいしいおいしいって食べてくれるから…毎日翔太のためにお弁当作り続けられる…」
「だってうまいから…奏の弁当。将来は俺の嫁になるんだもんな」
翔太はクスクス笑いながら言う
「これからもっともっと料理上達していく予定だから、覚悟してもらわないと困ります!」
「そうだな…期待してっから」