【短】恋殻物語
ワケが分からず首を傾げる私の頭を、フワフワと撫でる響市。


そして私の掌を広げ、貝殻をへこんでる方を上にする様に整えた。


「オレの気持ちとお前の気持ちが………ピッタリ一致してるって事に、早く気づけよ」


響市はもう1枚、私が持ってる貝殻と同じ色の貝殻を取り出す。


そのまま私にくれた貝殻に重ね合わせると、ピッタリとフィット。


私の掌には、1枚じゃなくて1個の貝殻が出来上がった。


「……私とアンタの気持ちが……ピッタリと一致してるって………」


今確かに、響市はそう言った。


周りで聞こえるのは、波の音だけ。
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