【短】恋殻物語
危ない危ない…響市に私の気持ちがバレちゃう所だったよ!


フゥ……ッと息を吐き、呼吸を整える。


潮のニオイを運ぶ海風が、火照った頬を冷ますのに丁度良かった。


「そっか。そんならいいけど、保四っていつも明るくて元気じゃん?だけど黙ってると、クール系に見える時あるよな」


響市は海を見て、髪を手で整えながら言った。


元気…?確かに私、クラスの中じゃ騒がしい方だけど……


片想いしてる人相手だと、こんな風に急に喋れなくなっちゃうんだよ……?


「それはアンタの方でしょう?1年生の頃から、ずっと皆に好かれてるじゃない」
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