【短】恋殻物語
普段の優しさのつもりで言ったのかもしれないけれど、チクンと胸が痛んだ。


「……だったらいいんだけどね………きっと私の好きな人は、私の事どうも思ってないだろうから……恋愛面も含めて」


多分響市は私の事を、ただのクラスメイトとしか思ってない。


こんな性格がどうこうってより、そもそも恋愛対象として見て貰えてない。


そう思ったら………なんか悲しくなって、涙が出そうになった。


「…………」


隣の響市は、無言で腰を折り曲げ、砂浜に向かって手を伸ばす。


そして何かを拾い上げた。


――――?何拾ったんだろう?
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