ハッピーハロウィーン★【BL】
と、またぐるぐるぐるぐる悩んでいると、上からイライラした声が。

「また無視か。いい度胸じゃねぇか。着替えさせてやるよ」

といい俺のワイシャツに手をかける。


まずい。非常にまずい。
もうこの時点で俺に逃げ道はない。
なら自分で着た方がいいだろう。


「一馬、自分で着るから」

「…わかった」


しぶしぶと言った感じで離れてく一馬。
ひとまず最悪の事態は……さけられてないみたいだ。


「ちょっと。俺着替えるんだから、部屋についてこないでよな」

「見る」

「見んな」


かなり怖かったけど睨んで自分の部屋に入る。
もちろんすぐさま鍵をかけて。


「…はぁー」


やっべ。むっちゃ怖かったんだけど。
なにあれ、見ようによればDVだぞ。

多分今、一馬は頭を整理させてる途中。
着替えて出てくときには元に戻っているだろう。


人にはそれぞれ踏み込んではいけない部分もあるから、何も言えない。
彼女なのに何も言えない。悔しさと寂しさが募って……


て、待て。今日の俺どーした。
いつの間に彼女って自覚したんだ。ダメだ。自覚するんじゃない。
第一俺は男であり、本来ならば彼氏であり。


はぁ…まじどーしたし、俺。


と考えつつ、紙袋から服を引っ張り出す。


早くしないとまたキレられるかもしれないし。
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