ハッピーハロウィーン★【BL】
着てみたはいいが…


「ちょっとやばいんじゃね?」


全身鏡の前で呆然とする俺。
おいおいやべぇぞ。まじでか。これ。

異様にデカいノースリーブ的な何かに、異様に短いスカート。
サイズあってねぇよ。ちゃんと測って買ってこいよ。

ついでに言うと、とんがり帽子も入ってたし、黒の長い靴下も入ってた。
ブーツも入ってた。

とりあえず全部つけて全身鏡の前に立ってみた。
というのが今の現状。


するとどうだ。このミスマッチ感。
似合ってねぇって。おかしいって。

これで一馬の前に出てくとか……
俺、いろんな意味で終わる気がする。



まだ部屋から出ていく勇気が出ない。
だからそのままの格好で窓から外を眺める。
マンションって言っても、俺が住んでるのは2階だから割りと人が見える。


マンションの前には公園があって、よくそこに高校生が来る。
いっつも同じメンバーで居る。今日は居るだろうか。


そっとカーテンから覗き見ると、居た。
いつものちょい茶髪の女子高校生と、黒髪の男子高校生2人。
少し耳を澄ませると、話の内容が聞こえる。



「あゆちゃん、しんくん!お菓子くれないと悪戯しちゃうぞっ」

「お菓子?あー、今日ハロウィンか。忘れてた」

「もーしんくん!お菓子くれるって言ってたじゃん!」


お菓子をねだる女子高生。
しんくん、と呼ばれた男子高校生はけだるそうに答えてる。

しんくんとやら、俺、すっげぇ同感。
俺も忘れてた。


「ゆぅ、ほら。あげるよ」
「あゆちゃん大好きー!!」


ゆぅ、と呼ばれた女子高生。あゆちゃん、と呼ばれた男子高校生に飛びついた。


あーあーあー。
しんくんが呆れてるじゃんか。


それでも3人共笑ってて、楽しそうで。
ちょっと羨ましいなぁ、なんて思って眺めていると、




ギィ、とドアが開く音がした。
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