ハッピーハロウィーン★【BL】
ビックリして振り向くと、そこには笑顔の一馬が。

笑ってる。さっきの怖い黒いオーラは見えない。
ちょっと安心したのもつかの間。
一馬が俺に飛びついて来た。


「ちょっ、なに!?」

「翔、サイコー!超可愛い!嫁に来て!」

「だが断る」


いつも通りの一馬の頭にチョップする。
ちなみにジャイアン一馬(命名、俺)には怖くてできない。


「痛くないしー。あーもーまじヤバい。
あ、そうだ。翔アレは?」

「アレ?」


そう聞くと、一馬は俺から離れずくっついたまま紙袋を逆さに振った。
すると中からステッキのような物が出てきた。

「はい!」

「なにこれ」


丁度持つのに良いサイズ。
だけど、棒の先には星形のプラスチック製品がついてる。


「魔法の杖だぞー!
それで俺の事指して『私のことを好きになぁれ♪』なんて言ってくれたら、萌え死にする…」

「……私のために永遠にねーむれ」

「ポーズはあってるけどセリフが違うなー!でもツンデレ魔女っ娘もまた萌え…」


変態変態変態変態。
なんだこいつ。まさかのヲタか。そーなのか。

「ねぇ、やって?」

「いやだ」


即答すると、一馬は俺の耳元で「お願い」と囁いた。

ちょ、めっちゃくすぐったいんだけど。
なんか危険な感じがするんだけど。
気のせい?俺の気のせい?


んなわけねぇよな!!
あきらかに危ないよなぁ、これ!
< 7 / 16 >

この作品をシェア

pagetop