未熟者の傷跡




何故か藍川さんが、持っていたペットボトルで、俺の頭をパカパカ叩いてくる。


「うわっ?ちょっと何?痛いって痛いって!!」


藍川さんは笑って、叩き続けるだけだ。
…ちょっと怖い。


「良いよ〜、藍ぴー。海人の頭なんて叩いても何も出ないし、もういくらでも叩いちゃって!!」

「ユーキ!余計な事言うんじゃねえ!!……マジやめて、藍川さん。芹川さんも、何か言ってって。」


芹川さんは苦笑している。

俺の視界に、春馬と西山が入ってきた。


「あ、春馬!西山!助けて!!何か知らんけど、藍川さんが俺の頭叩いてくるんだけど!」


春馬は俺には反応しなかった。


「あ、芹川さんだ〜!……あれ、愛理は?」

「さぁ…?さっきまで居たんだけど…。何処行っちゃったんだろ?」

「マジで?じゃあ俺、愛理探してくるわ。西山、あと宜しく。」

「りょーかい。」

「ちょっと待て!春馬ってば!」







.
< 105 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop